ビル有効活用レポート
オーナー様のスタッフ代りという意識で、ご要望を実現してきました。私たちの手がけたビルの有効活用の実例をご覧ください。
事例13(住居ビル)
築50年を迎えようとしている築古マンションです。
和室のある2DKでしたが、居住者様の退去に伴い、リフォーム工事を行うこととなりました。
テーマは「古さを活かす」。
築古の物件は間取り・部材など、スケルトンレベルのリノベーションをしない限り、どうしても築古独特の雰囲気が残ってしまいます。
ですが、建物の耐用年数を考慮するとスケルトンまでするのは費用対効果的に合わず、できる限り現行の作りを活かしつつ、違和感が無いような部屋作りを意識しました。
リフォーム後、入居者もすぐに決まったことでオーナー様にも喜んでいただけました。
- 物件名:仙台協立第11ビル(THE BANKS 2)
- 間取り:2DK(42.50m²)
- 構造:RC(鉄筋コンクリート造)
- 竣工:1973年12月
改修前
2DKの部屋は洋室と和室が混じった一昔前のお部屋でした。
キッチン・トイレも経年による劣化が目立ち、このままではなかなか次の入居者が決まりづらい状態…。
約3年で回収できる計算で予算を立て、そこからどこをリフォームすることで魅力のある部屋になるかを考えることにしました。
幸いにも浴室周りは以前更新を行っていましたので、今回は浴室を除いたほぼ全ての箇所に手を加えることができました。
玄関の横に細長い棚が。靴を入れるのも難しく、かといって他に入れるものが思いつかず…。
これは解体して、靴置きの棚を造作することにしました。
改修中
今回のプランでは、まず和室を洋室に変更するとともに、2DKの間取りを広さに余裕がある1DKに変更することにしました。
間取りを変更した理由は主に2つありました。
- 築古の建物は電気の容量が弱いことが多く、この部屋にもエアコンが1台しか付けられなかった。
- 部屋の大きさ的に1~2人で住むイメージだったため、仕切りを外して部屋を大きく使えるほうが需要があると判断。
また、回収期間からリフォーム予算はすでに固まっていましたので、抑えるところはしっかり抑え、便器やキッチンは再利用するとともに、キッチンは表装にシートを貼り+取っ手の交換を行うことでリフレッシュしました。
施工後
旧和室側から撮影。床の塩ビシートを統一し、仕切りを無くしたことで手狭に感じた部屋に広さが生まれました。
押し入れだった部分はそのまま生かしつつも、中の仕上げもしっかり行ったことで、よくあるベニヤの押し入れ感が無くなりました。
旧洋室側から撮影。旧和室側はベッドスペースになることを想定して露出型のダウンライトを設置し、旧洋室側はスポットライト型の照明を設置しました。
共に調光・調色タイプのLED照明ですので、お部屋のイメージに合わせてお好きな配色が可能となりました。
旧洋室側から撮影。ダイニングスペースの床は敢えてレトロ感を出すためにアンティーク調の模様を選択。
隠しきれない築古の間取りを逆手に取った模様にしたことで、上手くこのお部屋に馴染んでくれました。
ダイニング撮影。このキッチン、一見すると新品に見えますが、実は元のキッチンを再利用し、ダイノックシートを貼りました。
また、プラスチックの取っ手だったものをアイアンに変更したことで、とてもおしゃれなキッチンに生まれ変わりました。
細かなこだわりで、シートの木目模様を扉ごとにしっかり合わせています。こうすることでキッチンの扉にまとまり感が出ました。
必ずしも綺麗=交換ではないのも弊社の特徴の1つです。今ある設備をリフレッシュすることでも十分魅力のあるお部屋を作ることができます。
トイレ撮影。壁・床・天井は全て更新していますが、トイレは既存の物を再利用しています。
こうすることでトイレスペースの改修を安価に行うことができました。
そして今まで足りなかった物置スペースを壁に設置。トイレットペーパーや芳香剤を置くことができるようになりました。
また、最近はスマホが手放せない方も多いので、ペーパーホルダーにもスマホが置ける台を設置しています。
こういう細かな気遣いも、毎日住んでいると嬉しいものです。
日中の撮影。明るい時間帯の部屋の様子です。元々の木枠を濃い色で塗装し、扉も少し濃い目の色にしたことで古さの中にもモダンな雰囲気が生まれました。
壁の色がアクセントとなって、とても落ち着いた部屋になりました。
玄関から撮影。施工前にあった、使い勝手の難しい棚(?)を解体し、敢えて見せる場所に高さ調節が可能な靴置きを設置しました。
スニーカーからブーツまで、住む方のスタイルに合わせて使い方は自由自在です。靴ではなく、植物や趣味のものを飾ってもいいと思います。